はぐれゲーム随録

ゲームブログです。主にドラクエ10。

2018年05月

【DQ10】ドラクエ10の乱数に仕込みや偏りがあるのか?

以前にも同じような記事を書いたのですが、データ溜ってきたので続編です。

ドラクエに限った話ではないのですが、ゲームの乱数は偏っているということしばしば言われます。
実際のランダムと体感のランダムは違うんですね。いわゆるギャンブラーの誤謬とクラスター錯覚とかいう奴です。

これまでメカバーンと戦闘してドロップの有無を戦闘毎に記録しているので、そのデータを基に白箱ドロップの抽選が本当にランダムなのか、何か仕込みが入っているのかを調べてみます。

mechavern


■戦闘回数

メカバーンとの戦闘回数と白宝箱の数は以下の通りです。
2アカ + 2サポの PT での数値です。

戦闘回数: 10,686回
白箱数: 239個
ドロップ率: 2.23%

ドロップ率の 95% 信頼区間を求めると、1.96% ~ 2.53% となります。まだまだ収束しきってない感もありますが、一旦この 2.23% を白宝箱がドロップする確率として考えます。

■それぞれの白宝箱をドロップするまでの戦闘回数

それぞれの白宝箱(239個分)をドロップするまでの戦闘回数を列挙するとこうなります。

133,32,22,2,148,46,61,63,8,53,25,65,117,67,124,151,22,3,85,31,44,18,4,5,3,13,32,14,37,50,1,138,76,5,2,8,19,35,40,1,10,251,153,38,109,3,210,59,10,28,118,149,40,41,48,21,70,77,28,31,29,2,175,4,69,6,76,137,4,23,55,81,28,8,19,29,7,49,45,86,8,158,9,87,3,10,54,45,21,4,3,36,4,11,7,57,15,55,25,40,89,27,6,3,74,16,17,10,6,4,9,98,40,136,8,74,189,16,38,93,88,4,83,119,7,20,78,7,70,21,6,13,53,20,93,132,9,60,12,37,16,12,58,12,53,153,22,31,8,130,55,126,27,60,19,33,31,32,44,102,40,26,7,22,12,10,3,2,46,12,46,34,12,19,84,15,42,13,4,50,51,26,136,38,32,1,20,25,25,7,50,70,3,125,21,52,10,47,36,7,5,47,79,36,47,34,16,33,5,12,47,59,24,32,3,26,21,15,3,42,96,36,11,8,22,129,49,28,104,45,102,19,11,55,10,65,20,110,43

最初の白宝箱のドロップが 133 回目の戦闘で、その次の箱はさらに 32 回戦闘したきにドロップして…(以下略)という数字の羅列です。

この回数を合計しても 10,686 に少し届かないですが、239 箱目のドロップの後の戦闘回数がここに反映されてないからです。

このドロップするまでの戦闘回数をもとにランダムかどうかを調べてみます。

■ランダムかどうかの判定

常に固定の確率でランダムで白宝箱ドロップが抽選されているとすれば、白宝箱がドロップするまでの戦闘回数の分布は幾何分布と呼ばれる確率分布に従います。

実測値が幾何分布と異なっていれば、白宝箱の抽選にランダムではない何かの要素があると考えられそうです。

例えば、ゲームで使われている疑似乱数の精度が悪くて偏っているとか、何らかの天井が設けられているとか、確率が意図的に変動しているとかですね。

先程の白宝箱をドロップするまでの戦闘回数が幾何分布に従っているのかを調べてみることにします。

□計算値のグラフ

白宝箱のドロップ率を 2.23% としたときの累積分布をグラフにしてみます。
横軸が試行回数で、縦軸は試行回数だけ戦闘した場合に1回でも白宝箱をドロップする確率となります。

cumulation_ideal


戦闘回数30回のところで確率が約 49.3% になっています。30回戦闘すれば約 49% の確率で少なくとも 1 個はドロップするということになります。

□実績値のグラフ

実績値でも同様のグラフを作成してみます。上の実績からは例えば 30 回以内の戦闘で獲得した白宝箱は 116 個です。つまり 30 回戦闘すれば約 48.5% の確率で少なくとも 1 個ドロップした実績となります。先程の計算式の確率にかなり近い値になっています。これを1回から251回まで計算してグラフにするとこうなります。

cumulation_actual



□計算値と実績値を比較してみる


先程の計算値と実績値を重ねて比較してみるとこんな感じです。
ピッタリではないですが、かなり近いことが判ります。試行回数を増やせばさらに実績が計算値に近づくと思われます。

cumulation_comparison


まあ、グラフを重ねて近いでしょうというのはあまり良い方法ではないのですが、見た目の分かり易さを重視してあえてこうしてみました。

ゲーム中の乱数に変な偏りや仕込みがあったら、もっと大きなズレがあるはずなので、この比較からも仕込みや変な偏りはなさそうだと判断して良いと思います。

■まとめ


これまでの白宝箱狩りの実績を基に、白宝箱のランダム判定に偏りや仕込みがないか検証してみました。

詳細な検証をすると何か分かるのかもしれませんが、今回の検証からはランダム判定の偏りや仕込みはなく、一定確率でランダム抽選していると考えて良いと思われます。


アップデートの日に書くような記事ではないのですが、v4.1までの白宝箱狩りの集計結果の一つとして記事にしてみました。

【DQ10】白宝箱データ集計(v4.1)

バージョン 4.1 もそろそろ終わりです。
これまでのメカバーン狩りの結果を集計してみました。

mechavern


■戦闘回数と白宝箱の数

バージョン 4.0、4.1 期間でメカバーンとの戦闘回数と白宝箱の数を集計すると、それぞれ以下のようになります。(2人PT+サポ2です)

whitebox_ratio


バージョン4.1 では白宝箱のドロップする割合が少し高い結果が出ています。
ですが、統計的にみるとこの結果からはドロップ率が高くなっているとまでは言えないようです。

■メカバーンとメタッピーの比較


メカバーンとメタッピーがそれぞれドロップした宝箱が光った割合を調べてみました。
バージョン4.0, 4.1 の結果の合計となります。

shining_whitebox


メタッピーとメカバーンで宝箱が光る割合が倍くらい違います

実際に確率が違うかどうか調べるにはサンプル増やす必要がありますが、そこまでする価値はなさそうですね。

たとえ確率が高くても、初級錬金の埋め尽しとか嬉しくないですしね。

■各錬金効果の集計


バージョン4.0~4.1期間の白宝箱装備に付与された錬金効果を集計しています。
盾に属性ダメージ減の効果が付くのは約 4.3% (19/441)という結果が出ています。
合計 5% ぐらいで設定されてそうな感じですね。

それぞれの詳細は以下のとおりです。

shield_alchemy

head_alchemy

body_alchemy

legs_alchemy

arms_alchemy

feet_alchemy


■まとめ

バージョン4.0~4.1期間の白宝箱結果を集計してみました。

  • バージョン4.1になって若干白宝箱のドロップ割合が高くなっているが、確率が変化したとまでは言えなさそう
  • メカバーンとメタッピーの白宝箱の光る割合がぐらい違っている。今後も要調査ではあるが、装備のレベルによって光る確率が違うのかもしれない
  • 盾に属性ダメージ減の効果が付くのは 5% ぐらいと予想(実測値 4.3%)
バージョンv4.2ではLv96盾がドロップするようになりますし、ドロップ装備が変わるモンスターもいるようなので、メカバーン狩りも終わりになるのかもしれません。
メカバーンと10,000回ちょっと戦ってもう心が折れかかってるんですが、ガチな人はもっと狩ってるのかと思うと凄いなと思います。

■おまけ

メカバーンと戦ってゲノミーとタッピツ仙人が出た割合はこんな感じでした。

tappitsu


【DQ10】ゼルメア装備の錬金付与率の偏り

以前の記事でゼルメアの宝箱を集計した結果、以下のような疑問がでてきていたのですが、記事以降の集計データを追加して検証してみました。
  • 装備セットによって錬金効果の付与率が異なる?
  • 4Fの宝箱では錬金効果の重複率が高い?

shining_box


以前の集計データの記事は以下になります。

■集計対象

集計の対象は下記の通りです。ちょうどキリ良く 800 個の装備がでてきました。

装備数: 800個

何回周回したかは確認してないですが、100回の称号はゲットしているはずです。

■装備セットによって錬金効果の付与率が異なる?


以前の記事ではクルーガーセットの頭装備は他のセットよりどくガード錬金の付与率が低いのでは?という集計結果が出ていました。(低いというより一つも出ていなかった)

周回を重ねていくつかどくガード錬金付きのクルーガーハットもゲットしたのですが、やはり他のセットより付きにくいようです。
クルーガーハットとそれ以外の頭装備の錬金効果付与数を集計してみました。

kruger_head_vs_other_helms


クルーガーハットは他の4種の合算と比べて、どくガード錬金の割合が約半分となっています
統計的に有意差があると言えるほどの結果ではないのですが、今の時点のデータではセットによって差がありそうな感じがします。

ほかの装備についてはまだ調べられてないのですが、他の部位の装備もセットによって錬金効果の傾向が異なったりするかもしれませんね。

■4Fの宝箱では錬金効果の重複率が高い?


続いて錬金効果の重複率について考えてみます。

ゼルメアの宝箱には4種類ありますが、集計結果からは4Fの宝箱だけ錬金効果の重複する割合が高い傾向が見てとれますという記事を以前書きました
改めて今回集計し直しても同様の傾向です。

ratio_of_duplicated_effects


同じ錬金効果が付与され易いのであれば、埋め尽しが出やすいのかも?という期待が持てますが、実際のところどうなのでしょう?

同じ錬金効果が付与される割合が高いのは、同じ効果が付きやすくなるような補正がかかっているのではなく、別の理由があるのではないかと思っています。

□4F宝箱の錬金効果傾向


これまで獲得したゼルメア装備の錬金効果を以下の2つに分けてみます。
(4F の宝箱は数が少ないので、個々の効果に分類しても意味ない状態です)
  • 通常のランプ・ツボ錬金で付与できる効果
  • パルプンテ発生時のみ付与できる効果
宝箱の種類毎に通常錬金・パル錬金を集計してみると、以下のようになります。

ratio_of_parupunte

この結果を見ると、4Fの輝く箱はパルプンテ限定の錬金が付与される割合がノーマル宝箱の割合と比べて倍ぐらいになっています

この割合の違いを踏まえて考えると、4Fの宝箱ではパルプンテ限定錬金が付きやすくなるよう確率テーブルが変わるので、その結果として装備に複数同じ錬金効果が付与される確率も高くなるのではないかと予想します

実際にどのパルプンテ効果が付きやすいのかはこれからサンプルを増やしていく必要がありそうです。

4F宝箱を筆者は44個開けています。そのうち、からだ上装備が6個出てきていて、その半分の 3 個には属性ダメージ減が付いていました。
それを踏まえると、属性ダメージ減の割合が結構高くなっているのかもしれないという期待が持てます。(まだあくまで期待が持てるといった程度…)

まあ、そもそも4Fに到達するのが難しいので、4Fへの到達率と4Fの属性ダメージ減の付与率を掛け算すると、ノーマル箱装備の付与率より低くなるのではないか?という感じですが…。

参考までに、現状の各効果の付与率の集計結果を載せておきます。(全装備の集計と、4F箱限定の集計です。見づらいかもしれませんがご了承ください)

全装備の効果付与率
table_of_effects_all


4F限定の効果付与率
table_of_effects_4F


■まとめ

詳細は引き続きサンプルを集める必要があるのですが、以下の傾向が見えています。

  • 装備セットによって錬金付与率が異なる設定になってそう
  • 4Fの装備にはパルプンテ限定の錬金効果が付与される確率が高そう
    (どの効果が高いのかは要調査)
まだ4Fデータが少ないですが、データを増やしていけば、4Fを狙っていくべきか確実に開けられる宝箱狙いに切り替えるかの判断とかもできるかもしれないですね。

【DQ9】まさゆきの地図が生まれた経緯

先日DQ10初代ディレクターの藤澤さんの手がけた予言者育成学園のサービス終了予告と藤澤さんのスクウェア・エニックスからの退社についてお知らせがありました。どちらも非常に残念な話です。

…ということで、という言い方も変ですが、今回は同じく藤澤さんが手がけたDQ9についての話を記事にしようかなと思います。

DQ9では「まさゆきの地図」をきっかけにすれ違い通信が大いに流行しましたが、これは開発側の仕込みではなかったようですね。(cnet japan の当時の関連記事)

仕込みではないものの、その切っ掛けになったのは藤澤さんの二つの決断があったようです。
しかも、ソフトウェア開発の過程では良くある決断です。
一年ぐらい前の話ですが、その切っ掛けになったエピソードについてニコ生で藤澤さん自身が開発裏話として語っていました。(なので今更感のある話になりますが、ご了承ください)

ドラクエ30周年イヤーを記念して、ニコ生でナンバリングを通しプレイする中継をしていたのですが、そのDQ9の中継で藤澤さんがゲストとして出演していて、その中で語っていた話です。
期限は切られてないようなので、こちらのリンクからタイムシフト視聴できるかも。

■すれ違い通信を取るか、カジノを取るか、それが問題だ

ソフトウェア開発も締め切りが近づいてくると、締め切りに間に合わせるには当初考えていた仕様のうちの何かを諦めなければならないという判断に迫られることがたびたびあります。

DQ9の開発においても、そういう決断に迫られることがあったようです。
それが、すれ違い通信とカジノでした。
発売までに間に合わせるにはすれ違い通信とカジノのどちらかを諦めないといけない状況になったときに、藤澤さんはカジノを諦めてすれ違い通信に注力する方針を選びました。

ドラクエといえば途中の町でカジノがあるのが定番だったりしますが、それをドロップしてまですれ違い通信を実装したということです。

ドラクエといえば保守的なゲームだというイメージを持っている人は多いと思いますが、藤澤さんはそのドラクエの中にも挑戦的な要素を入れることにこだわっていたのではないかと思います。
DQ10の開発についてのCEDEC2013の講演でも『「ドラゴンクエスト」はなぜ”挑戦”するのか?』というセントラルクエスチョンを掲げています(4Gamer の記事)。

ここで、ドラクエといえばカジノでしょ?と伝統重視の考え方でカジノを選択していたらすれ違いが流行するどころかそもそも実装されなかったわけです。
DQ9でカジノがなかったことは残念でしたが、すれ違い通信のほうをとるという選択は結果として正しかったかなと思います。

とはいえ、カジノが実装できなかったことはとても残念そうに話してました。予言者育成学園もブックメーカーをモチーフにしたゲームでこれもギャンブル関係ですしね。

ちなみに、ドロップされたカジノはセントシュタインの宿の地下に配置する予定だったとのことで、リリースされたゲームではカジノ跡地はキラキラがたくさんある泉(天使の泉)になっています。


■バグは夜更け過ぎ~に~  仕様に変わる~だ~ろう… ♪

ソフト開発業界ではこういう替え歌があったりするらしいのですが、ソフトウェア開発も終盤に迫ってきたときに不具合が見つかると、以下の3択を迫られます。
  • とにかく直す
  • 一旦そのままにし、次のバージョンまでに直す
  • もう直さない、これが仕様ということにする
この判断を行うのがディレクターである藤澤さんの仕事のひとつでした。
まあ、DQ9の場合はアップデートすることはできないから真ん中の選択肢はないと思いますが。

開発中に宝の地図のダンジョンでスーパーテンツクしか出現しないフロアがあるという不具合をスタッフが見つけていたそうです。
そのときに他にも不具合が山のようにある状況だったので、スーパーテンツクぐらいだったらいいかということで、これを仕様としてしまったようです。

その結果、他のモンスターについてもそのモンスターしか出ないフロアが出現するようになり、その中にはメタキンオンリーのフロアも存在するようになってしまったというのが「まさゆきの地図」が存在している経緯なんだそうです。

ニコ生では、発売後に「まさゆきの地図」が発見されたときにスタッフを叱ったら、そのときに藤澤さんが仕様にしたんじゃないですか?とスタッフに反論されたというエピソードを語っていました。

■最後に


ということで、「まさゆきの地図」が世に出る切っ掛けとして藤澤さんの次の2つの決断、しかもソフト開発終盤でよく強いられる類の決断があったということになります。

  • すれ違い通信とカジノの2択ですれ違いを選んだ
  • スーパーテンツクしか出現しない不具合を仕様とした

前者はともかく後者は意図したものではなかったと思いますが、結果としてこの2つの決断がなければ「まさゆきの地図」は世に出ることはなく、ひいてはすれ違い通信の流行やDQ9の歴代最高の売り上げもなかったと思われます。

何がヒットにつながるのは分からないものだなあと思うと同時に、藤澤さんがこういう決断をしたからこそ、DQ10が出るまではDQ9が個人的に一番たくさん遊んだドラクエになったんだとこの決断に感謝したいです。



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ドラゴンクエスト10のヘッポコプレイヤーなので、主にドラクエ10の記事を載せていきます。
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